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うつ病と精神の健康づくり

 

現代の日本とうつ病について

 

近年、家庭環境、労働環境、人間関係、老齢といった様々な要因によりうつの疾患が増加しています。「うつ病」という言葉自体も、ここ10年ほどで非常にメジャーな言葉となりました。

 

日本人は元々物事をマイナスに捉えたり不安に思う傾向がある民族であり、その心理的性向により、長く不景気が続き高齢化や複雑化する社会が原因でうつ病を発症するケースは近年激増しています。

 

うつ病は治る病気か?

 

うつ病の治療においては、今は大きく二つのアプローチが取られます。精神科、心療内科の臨床医師によるカウンセリングと、投薬治療です。他に、個々の患者の状態により、より専門的なカウンセリングや認知行動療法なども適用されます。

 

しかし、一度発症したうつ病の根は深くなるケースが多く、いわゆるトラウマとして心の中に要因となった体験が植えつけられ、フラッシュバックを繰り返してしまう症例が非常に多いです。

 

うつ病の治療(「寛解」といいます)には、本人、家族、関係者などの、長年に亘る根気強いアプローチが欠かせません。

 

日本の企業は、うつ病は仕事内容や職場を変えればほどなく治ると楽観的に捉えている傾向がありますが、人生そのものに関わる心理的ダメージを負ったうつ病患者は、職場の同僚、上司、産業医、担当医、家族などの総合的で長期的なサポートをしていかなければ、なかなか寛解には繋がっていかず付け焼刃の対処で終わってしまうのが実態です。

 

最近ではうつ病のフラッシュバックは眼球の運動と関連していることがわかり、本人が辛いことを思い出したときに、目を上下左右に動かすことでダメージを抑える、という治療法も利用され始めています。

 

うつ病の寛解には、心安らかにいられる環境の提供を

 

一般的にうつ病患者には、自然の映像や音、クラシック音楽といった精神的に安らげる環境を与える対処が適応されることが多く、実際そういった環境で精神のダメージを和らげる患者は多くいます。

 

しかし、うつ病の原因が個々によって違うように、うつ病を抑えられる、克服できる環境や物は患者にとって様々あります。

 

例えば、あるうつ病患者はパンク・メタルの音楽が好きであり、電車の人込みや閉所では不安症状が出てしまうにも関わらず、パンク・メタルのライブ会場では気分が高揚しストレスを発散できる、というケースがあります。

 

また、クルマや飛行機の騒音などが却って気分を良くしてくれる、という患者もいます。患者ごとに何が精神を和らげる要因となるかは千差万別であり、それがちょっと変わった環境要因であっても理解が必要であるといえます。

 

うつ病は心の風邪と言われ、実際の「風邪」には菌に感染するまでに様々な原因があるように、一通りではいかない治療アプローチが必要な病気です。本人の特性とよく向き合いながら、根気よく治療に向かっていく態度が大事であるといえるでしょう。

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